岡山県立博物館で午後の半日をすごした。

　幕末の大政奉還から江戸城の開城は「無血クーデター」といわれている。
　ここまでいたった舞台の上には坂本龍馬をはじめ薩長の、幕府方の志士、公武合体派の藩主がキラ星のごとく躍り出て鮮血ながす活動している。いうなれば彼等は最前線の実践部隊の英雄だったが役割は演出者に過ぎず、大立者役者は江戸城で会見した勝海舟であり西郷隆盛であって、いわく政治感覚者と武力感覚者の双者対決によって革命は終結した。
　県立博物館で開催されている「坂本龍馬と幕末の土佐」は龍馬の人間性をも織りこんだ足跡をたどりながら武市半平太、中岡慎太郎、後藤象二郎の遺文を沿わせて重厚な流れになっている。

　風雲つげる岡山における痕跡は重大な事変にしては小粒ほどのものだった、と断じるほどの知識はない。しかし史実にして大きい蠢動を残さず時代に加担した傑物を輩出しなかったのも事実だろう、薩長肥と京都をむすぶ山陽道の要所に位置しながらである。知り得て現地を見て歩いたのは下記の如し。
・第二騎兵隊の浅尾陣屋(現総社)襲撃。
・筆頭家老の伊木氏や藩士による勤皇志士の庇護。
・備中松山藩(のち四国松山藩との混同を避けて高梁藩と改名)の９代藩主板倉勝静(徳川吉宗の玄孫)が老中首座兼会計総裁に任じられて幕府方の一翼になり函館五稜郭の戦いに参謀として戦ったが、信頼する家臣山田方谷の説得によって恭順を示している。　
・戊辰戦争で官軍に反抗の旗をふった傑物、越後長岡藩の家老になった河井継之助が玉島港(高梁藩の飛地)に上陸し同じ陽明学者の山田方谷を訪ねての知己を得ている。
　－などであろうか。

　倒幕の薩長戦列の後備についたり新政府の命で備中高梁城の接収行動をおこしたりしている岡山藩がなべて穏便な態度をとっているのはＤＮＡに拠るものだとおもっている。
　池田氏の祖、恒興や輝政は勇猛な戦国大名で織豊徳時代の重臣であったが、節々で養子存続を余儀なくしている。
幕末期の９代藩主は勤皇尊攘の雄である水戸徳川斉昭が９男茂政を養子にしている、実兄が最後の将軍徳川慶喜であるからその位置としては幕府と勤皇に両足をかけて一方向の勢いに乗るものの、旗幟鮮明にして雄雄しく時代を切り開く選択がとれなかったのではないのか。

　幕間の瞥見である。

　
　
　

　中央、地方政財界のリーダーの新春抱負がＴＶ、ＮＥＴ、紙上に報道されている。デフレ不況からの脱却政策を矢継早うちあげている中央政権だが、いわゆる期待ムードだけの上昇雰囲気で実際の具体的成果で裏付けられているわけではない。底が割れればとんでもない危機が逆流してくるかもしれない、そんな不安が払拭できずに市井は及び腰である。
　地方都市のリーダーは前進意欲をもち突破口を掲げる責務がある。ある市長は目的をもって市政をつかさどる姿勢であり他のある市長は目標が散漫になり腰がひけている響きがする。抱負を読むかぎりそう思わざるをえないコメントだ。
　難しい時期だからこそ澪筋の舵取りを期するのみ。

　

　１１屯のトラックが２台横ずけで並んで停車、建材のようなパネルを中卸で積み替えているようである。奥側の運転手が大声で指令を発し、受けた一台の運転手が「あらよっ！」と応えてましらの身軽さでスルスル嵩高い荷のうえに昇り荷姿を整える。黄色い声音ののこる女性である。それも女盛りの女性である。
　日入りがちかい橋梁の影が長く伸びる時刻だった。

　備中国分寺の吉備路をあるく。開けた盆地に平安朝のシンボル五重塔が青空にそびえ陽光のしたたるなんともいえない長閑な田園風景をかもしだしている。
　さまざまないでたちのカメラマンが三々五々散見できる。
　冬咲きの菜の花が塔見の田んぼに観光目的をして植生、ちょうどこの時期は観賞時期にあたる、五重塔を背景にしてのアングルが見頃。
　撮影はともかく、老けゆく五体の節をのばして遊歩道をたどっていけば心身慰癒のすがすがしさを覚えるのはなぜなのか。

　今日も無風で陽光がまぶしいほどである。
　生後３ヶ月(人間年齢５歳)のバロンをジャンバーの懐に入れて公園にデビュウー。
　公園のベンチにおろしてやっても蹲り動かない。よその犬と顔合わせして鼻同士をくっけてやったら怖がりはしないが無動作、懐からでようとしない。見るものが初めてだから好奇心で眼を動かしてはいる。
　一人と一匹は日溜りのベンチでひなたぼっこのひと時。

　久しぶりの小春日和、ぽかぽか陽気の坂道で[シモバシラ]の探索にでかけた。
　ことのはか季節感をおもわせる名前の植物だが冬は地上茎を枯らし、枯れ茎に枯葉をつけていていまにもカラカラと乾いた音を鳴らす風情、今は寒気厳しい朝の茎に氷の結晶ができるのが見所で、そのことが名前の由来になっている。
　現地にたどりついて茎基を窺ったものの気温があがって早や溶けて消えていた。
　又の日に出直しである。
　
　ロウバイが咲き盛りで悩ましい芳香をふりまいていた。
　春への歩みはまだ遠いけど少しずつ匍匐している。

　それにしても陽のあたる坂道ほど温かさを感じる場所は他にない。

　昼間に屋内で過ごすときは灯油、就寝は電気、とエネルギーを使い分けているが厳寒のおり灯油の消費ピッチは早い。風があっても陽射しのある時は車で外出し近くの河川敷に停めてウォークをこなし、あとは車内で書籍を読むことにしている。陽射しの方向をみきわめて駐車すれば陽は燦燦と車内にながれこみ、これが適当に温かい。読み疲れると眠くなりシートを倒して眼をつむると心地よく昼寝ができるのである。

　3が日がすぎてはや４日、登り坂は遅々として進まないのに下り坂は早い。生産に寄与しなくなってからというもの隠遁人生は転がるように過ぎさる。(ただし人によっては逆の思いもある)
　
　おせちや餅に飽いて味噌汁と干物が一段と味わい深くなる時だ。

娘を加えた３人で表町のペットショップに行くことになった。元旦だから市街の交通量は極端に少ない、名のある百貨店はじめアーケード街の大抵の商店はシャッターを下ろして骨休めと見える。目的のペットショットは一点店内の灯かりを路上に投げていた。店内のゲージには誕生３～４ヶ月の仔犬が人見のジャレで吼えもせずに寝て座って跳んで戯れている。並ぶゲージには大形犬は扱わずして小形犬がズラリ、シーズ、パピヨン、ダックスフンド、チワワ、トイ・ブードル、テリヤそしてそれらの混種が圧倒的に多い。いずれも愛玩用の犬だ。
　これぞと思う犬を手を消毒して抱かしてもらう、価値観の対象は｢手間いらずで可愛い｣ことに絞られる、で女性たちの好みが優先して一匹が選ばれた、シーズ×パピヨンの雑種で体と耳はパピヨヨンを受け継ぎ顔と目つきはシーズの遺伝を受けている。誕生４ヶ月だった。
　みんな満足して即買い求めて連れてかえった。
　名前は｢バロン｣にした、我家の｢男爵｣である。
　

明けましておめでとうございます　

　この言葉が一番似合う日。
　ピンと張り詰めた夜明け、寝ていても耳たぶが冷たく感じるほどで、これは好天の兆し。
　8時を廻ると橙色の陽光が部屋のなかへいっぱい射し込んできた。
　とりたてて変わり映えのない我家だがドサッと配達された新聞をとりに出たが大霜であたり一面真っ白。
　門扉のロックが凍てついて開かない、おどろいて熱湯をかけて開錠する始末、こんなことは初めての現象だ。

　2012年の大晦日である。
　昼間の時間が少し長くなりつつあるが、暮れなずみ１７時過ぎると夜の戸張は降りてくる。迎い風のウォークは真ともに受けると相当の運動量になる。さすが今日はカワセミを狙うカメラマンの姿はなく、と思っていたが常連の独りが手持ち無沙汰のカメラを首に巻いて放浪人のように水辺を歩いていた。

　少年の頃の年の瀬が妙に懐かしい、父母や長兄がそれなりの役目があって忙しくとも華やいだ仕来たりや行事の準備をしていたのを昨日のように思い出すも、みんな黄泉に旅立って今はいないことに改めて思う。同時に息子娘、嫁孫の健康を念じものである。

　深夜までＴＶドラマを見て２０１３年を迎えよう、それはそうと、小生の巳年ではないか、どんな幸にからまることが出来るのであろうか。
　
　みなさん良いお年をお迎えください。　

　１９５０年に中国が作成した外交文書。日経新聞に昨日掲載されていて｢？｝と思っていながら気分的にせわしく忘れていたが今日の地元新聞３面に同様の記事が載っていた。要約を下記に綴っておきたい。
　・外交文書は１９５０年に中国が作成したもの。
　・｢尖閣列島」と日本名が明記している。
　・尖閣が琉球に含まれるとの認識の文言がある。
　・文書は[「対日和約」(対日講話条約)における領土部分と主張に関する要項草案]と題され５０年５月に作成。
　・尖閣諸島を琉球の一部として扱い「台湾から距離が甚だ近く、台湾に組み込むべきかどうか検討の必要がある」と述べている。
　・現在中国が主張する「釣魚島」は台湾の付属島礁」が当時の中国になかったことの裏付けになる。
　・当時中国に「釣魚島」の名称を使う習慣はなかったことを示す。
　・中国が領有権を主張を始めたのは７０年代になってからである。

　文書は本物とされているから通常の感覚ではここで勝負あり、だ。
　だが、黒を白と主張して憚らない中国政府、さっそく報道官の声明は「そんなものがあっても中国の見解は変らない」ときた。
「はあ？・・・」と、呆れてものもいえない。　

　掃除などと構えるほどではないと、自戒しながら雨戸とかガラス戸をふき取る。
　一年のほこりは容易に取れない、どうせ新品によみがえるわけではなし、などと思ったらいけない、中途半端に、汚れの縞々に終わってしまう・・・。

　ガラス磨いたのに朝の窓がやけに暗い、外をのぞくと霙、どうりで寒いはずだ、９時ごろにはボタン雪が舞い車の屋根をすっかり白化粧してしまった。
　残り窓が多い、続いて今日も掃除の予定であるがストーブをかかえてもじもじしている。

　そのうち小雨になり雪化粧は溶けてながれてしまった。

　松井秀喜選手の引退会見があった。脚光を浴び球界の頂点をきわめ矢折れバットを置いた、長くも短くもあった栄光スラッガーの幕引きである。

　書店をのぞく。
｢海賊と呼ばれた男｣の単行本を立読み。出光興産の創業者ー出光佐三を書いたもので興味あって長時間読み耽るも,いささか気が引ける、上下巻あり、購入は小遣いに余裕がなくて躊躇、やがて文庫本になるのを待つことにする。

　やっと賀状の作成すませて投函、プリンターの不機嫌で数枚よごれてしまった。
　一枚一枚ではなく１００枚単位で印刷にかけるから不都合が連続で発生する。

　パソコン横のラジオが安倍内閣総理大臣の選出手順の進行を報じている。
　いずれにしても無知無策のてつをふまない内閣であって欲しい。

　遅い時間を気にしながら毎日のウォーキングに河川敷にでかけた。
　天気晴朗なれど風つよし、だった。

　異質の価値観をもつ劇団同士が肩を組んで興行前に旗揚げしたものの惨澹たる客の入りに空中分解の気配だ。こうなることは判っていたので驚きはしないが、影に隠れていて幕間にのぞく芝居屋は所詮芝居屋だ、大向こうを呻らせる立役者には到底なれない。コップのなかの嵐にしても情けない。

　これは未来を標榜する政党の話し。

　これは医師から指導うけて実行し膝と腰の痛みから解放された友人の話である。
　歩行するとき通常背筋を伸ばし踵から着地しつま先で蹴る動作をする。この姿勢は腰と膝にかかる負荷が大きい。そこでシフトすべくつま先歩行さらに猫背ぎみで腰への負荷を和らげると同時に、膝間接まわりの筋肉をつけてガードしてやることだそうだ。
　山登りの場合は踵の着地は事故予防のためのイロハでこの方法が習慣になっている身にはやや躊躇の感があるが、実際つま先歩きをやってみると想定外、相当こたえる、普段使っていない筋肉を使うので１００㍍を歩いたら痛くて音をあげた。ということは、手軽に鍛え代があるということだ。
　効果があるようなのでこの歩行をおりまぜながら続けていこうと思っている。

　膝の痛い人がずいぶん多い。
　長いあいだ使ってきた関節の緩衝役目をはたしてきた軟骨が磨耗きたし、骨と骨が接触しだして痛みを発症するらしい。
　あまりひどいと整形外科でヒアロンサンとかいう注射治療するらしいが、そういう経過の人を身近に観察していても少なからずの人は決定的に治癒していない。
　さてどうするべきか。

　師匠宅へお邪魔した。ピカピカの天気のいい日は山野草を求めて外出されておられるが、野の花も茎葉が冬枯れて休眠状態なので閑をかこっておられるようである。恒例の自写山野草でつくられた来年の花暦をいただいた。殺風景な吾が部屋を一年間彩ってくれる貴重な作品、帰宅後さっそく今年の分と入れ替えた。
　一服しながらながめると「行く年来る年」の思いがつのる。

　所属団体等の年内行事は終了してぐうたらがなおぐうたらで日ながすごしている。公私ともなにもなければである。
　未読の本を積み上げてストーブに対面しながら読み耽り、飽くと友人の自動車屋に足を運び「雑談」し＆「日経新聞｝に目を通している。ひっつきもっつきした選挙前に誕生した俄か政党は今に空中分解か消滅するだろう。
　それにも飽くと日課のウォーキングに河川敷に赴く。
　このところ「カワセミ」や「年金族」にも飽いてコースをかえながら東西に歩いている。
　あとやらねばならないのは、年賀状、掃除、そして初孫のクリスマスプレゼントの購入だ、これが一番嬉しい。

　鉄槌がくだった。
　民意からかけはなれた政権にようやく幕がおりた。
　彼の政権はとうとう「素人集団」などと新聞に書かれていた。
　あまりにもあまりな政党だったというこだ、すべてにわたって。