友人と席を占め、注文を忘れ回顧談に耽っていると
 「なににしますか」としびれをきらした熟年のウエィトレスが注文をとりにきた。里山を一周してきたので小腹はすいているのであるが正月料理に胃がもたれていて脂ものは欲しくない、ところがボリュウムのある脂ぎったものばかりで食欲がわかない、メニューながめてあれやこれや、さんざん迷っていると斜め向かいのテーブルについている女性二人が麺をすすっていてまこと美味しそうなのでメニューにない「ラーメン」もあるんだと思い、俺これにするわと注文する。
「うちは和食じゃけんそんなもんはねえよ」と小母さんは言う。
「だってあそこの席は食べてるんじゃないの」
「あっ」
「・・・あれは五穀うどん、五穀米ってあるでしょう、あれ」
 メニューをひろげて「麺類はここらへんにあるから」
「これでいいや、これ」
「ザルですよ、これ。つめたいよ」
 
 スリーダイヤの車づくりに勤務していた彼は庭先の畑で野菜づくりで日々をくらしている。少量農薬の栽培をこころがけて種を蒔く畝作りをするとき落葉や草の類を底にうめて盛り土するらしい。すると蒸されて発酵すると蚯蚓の繁殖に最適の環境になって後々野菜の育成にはもってこいの土になるらしい。喜ぶのは人間だけではなくて猪も大層うれしいらしい、夜な夜な出没して畝を掘って好物の蚯蚓を捕食して畑を荒らすので応急の柵なぞなんのその恒久の対策ならずいたちごっこ、市行政は無策なので放恣ままだそうだ。話しは尽きるまじ。

「お待ちどうさま」五穀ザルうどんが運ばれてきた。

 

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