境内から見る児島平野の眺望は鶴翼に開がって背にした半島の緑が陽光に躍っている。地形的には瀬戸内の海へむかってすべりおちているのだろう、幾世紀まえには足許の丘陵から半島の裾まで塩水が満ちて島々をうかべる国のよそおいであったにちがいない。
 本堂は高台にあるので厄介、石段を避けてスロープであがると初参りや安産祈願の家族連でにぎわっていた。
「今日は人出が多いですな」法被を着た職員に話かけると、
「どっちかと言うと今日は少ないですよ」とかえってきた。「戌の日と日曜日が重なると境内はごったがえします」

 2番目の孫娘の初参り、太鼓のドンドンの打ち鳴らしでぐずりはしないかと案じたが本人はすやすや眠っていて額に梵字を書いてもらい祈祷をおえ本殿をおりてきた。眠りから覚めて薄目をあけ瞼をしばつかせていたが陽光を浴びると眩しそうに身動きしていた。
 つる草のように健やかな成長を願う夏の一日であった。
 

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