とつぜん悲鳴があがった、未知のできごとなので狭い車内に
なにごとが発生したのか運転者たる私がびっくりシートをこえ
て左腕にしがみついてくる孫娘の意味不明のパニックに流れ運
転中の安全に精一杯だった。シートベルトで固定していたので
助かった。
 停車してなだめすかして膝にとびこんでくる孫娘の断片言葉
に「虫」「こわい」の悲鳴が混じり指差すサイドバイザーをみ
ると「触覚」をふりかざす「かみきりむし」が車内をうかがっ
ていた。
 木の下に駐車していたときにどういう弾みかで張り付いたも
のだろう、窓を開けて走っているうちに風圧にたえかねてカミ
キリムシは車内へ避難をこころみたようだ。
 彼を屋根においやりしばらく孫娘をだきしめて落ち着かせい
っぱい溜めた涙を拭いてやる。
 なるほど彼の顔は奇怪だ、TVにあらわれる怪物の風貌だ。
 拡大されて等身大にとらえると怖い生物にちがいない。

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