prose-彼岸の入り

2013年3月17日 趣味
 朝寒午熱、一枚着たり脱いだり、爬虫類の脱皮のごとく自己調節に忙しい一日を実家の墓参ですごした。稜線は黄砂の春霞にかこまれた北房の盆地はいたって長閑な里山風景、春耕をひかえて草木の芽吹きを待つ山々の麓に田畑のひろがりが麦の匂いがする郷愁をかりたてた。
 墓地のある里山頂点にたつと備中川が貫く故郷の集落を望見することができる。
 心の襞がひとつひとつのびて追憶に耽る空間の墓塔にみえかくれする人に線香の煙がつつみ、烏の一団が早くも飛来して鳴き騒ぐのである。
 親兄弟そして先祖の顔が蘇えった。

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