夜中になんどか屋外をうかがったが降雪はなかった。雨足が瓦うつのを寝耳に聞いただけだった。
 後楽園の芝焼きは8日に延期されたようだ。
 ならばよし、咲き始めた水仙でも撮りにいくか。

 公園の駐車場は意外や意外、車でうまっている。イベントの情報も得ていないのになにごとかと五感をふり向けたものの、玄関口でがやがやわいわいしている風でもないし、なまぬるい人いきれもなく園内の階段あたりとか温室の屋根がのぞく丘のうえのほうにも蟻ほどの動きはなかった。
 気が変ってカメラは車においていくことにした。水仙もなにがなんでもということではないので、他にめざとく咲いている植物は思い浮かばないし今日のところは傾斜道を散策すれば足腰の運動に好都合、その勝手なつもりを優先することにした。これと思うものに遭遇すれば300円をにぎってあらためてくればいい話だ。
 案内嬢に「スイセンは咲いていますか」と問う。
「咲きかけです」
「はああ(ヤッパリ)」
 正面に「今咲いている花」
    「これから咲く花」
 と書いた掲示板がある。
 ロウバイ マンサクが今咲いている花、スイセン フクジュソウはこれから咲く花の欄違いに区分してある。
 西側の遊歩道をあるけば、いきなりロウバイの乱れが右側をおそってくる。緑を潜めている牡丹園を背景にしていて金塊を透けるほど伸ばし礫にして枯枝にふりまけたように金色の花を盛花につけ、にじみでた花粉の勢いが香水のにおいに化して澱んでいた。(6日記)
 この木は目線の高さに剪定されているので遠景で見るよりたちどまって観察したりするのにはよい、ただ風景のなかでとらえたり見上げて感嘆するのにはこの先の裾地にある数株のほうが勝っている。
 ロウバイの間にマンサクがまじり金紙を短冊にして枝先に結んだ花弁をひらひらさせて風とたわむれている。観光客はたいていここで見上げたり縁石に足をかけて写真を撮っている。背景が傾斜の草地なので凡景になりがち、変化や動きを合わせるアングルにするのにはカメラの位置工夫が必要のようだ。
 も少し歩をすすめるとスイセンが咲き始めの不揃いの穂をならべていた。ふくらんだ蕾をかかえているので次の好照を浴びれば一気に咲きそろうだろう。
 つきあたりの右だらだら坂をのぼると自販機のある休憩所にでるので手前の下り道をとりしばらくくだると左へ入る。
 樹下スイセンの咲く階段で腰をおろし汗ばんだ体のほてりを癒す。
 レンガの階段へでると眼下に正門入り口がみえる。
 山も丘も、下りの爽快さを実感した。7日記)

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