prose-水辺

2012年11月8日 趣味
 運河の中洲はちょっとした森を形成していてその裾は無尽の葦地になっていた。白い穂はさながら鉈をふりかざす兵隊のように鬨をあげて前後左右に動くのである。水は鏡のように止水のおもむきだが堰の岩を滝落ちるほどのゆったりした流れはある。すこし下流に進むと川幅は不意に狭くなってせせらぎに似た音を発して葦を噛んでいた。石敷きの継ぎ目がすかして見える浅瀬はきらっとナイフの刃を横にした光りが瞬きつづく。ウグイが遊んでいるのだろう。

コメント

SU

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索