prose-カワセミ

2012年1月31日 趣味
水辺の小鳥でもっとも美しいのはカワセミと、衆目一致するところ。
 県北の清流域を飛翔する姿や、水面にのびた枝にとまる姿に出会うと、宝石もさぞやと深くため息がでるほど色合いが印象にのこる。
 因って澱んだ水辺に棲息することを考えたくないが、それは人間のかってな願望にすぎなくてカワセミにとってはどうやら余り問題していないようだ。
 水辺で小魚が容易に捕獲できれば清濁の差をきにしてないようにみえる。
 たとえば後楽園の花葉の池などは小さな人工の滝があっても流水とはいえない、実態は溜池と同等だ。オイカワのような小魚の魚影がみえるのでこれを捕獲して食べているようだ。通い鳥か、それとも棲息している鳥かはつゆぞ知れらぬとも、長い間カメラマンをひっぱっていた。カメラマンが連日むらがりカワセミの動きに一喜一憂していた。
 今回は旭川と並行して流れる百間川の右岸一隅。運動のつもりで河川敷を歩いていて、この数週間とみに人溜りがめだつようになってきたので不審に思っていた。
 いずれも立派な望遠レンズを装着した一眼レフを首にかけている、西側地区の排水路付近に集まっているのをので、バードウオッチングの集まりと想像できたが、詳細はわからない。常駐の主、カモ、シラサギに執拗なおいかけが発生するはずがないだろうに。

 日が改まって其処に一人の老人が三脚据えてフアインダーをのぞいていた。
 排水路の左側をたどり、レンズを向けている方向にいきたいので声をかけると、「行け、行け」という手振りの合図を返してきたので進み、ふと護岸の則面に目をやったときカワセミが止まっていたのである。
 ものの3m先の位置、足を運んで直線上になるまでカワセミは静止したまま、追い越しになるとヒョイと先に跳んでまた凝っとこちらの動きをみている。振り返ると老人のレンズの狙い目はカワセミを追っていた。200㍉ほどのレンズだから雀ていどの小鳥を絞り込みすれば野次馬は邪魔にならないはずだ。

 現在の後楽園の経緯は知らないが、ひょっとして同一のカワセミがエリアをかえてきているのではなかろうか。
 
 百間川は運河だ。旭川の水を取り入れてはいるものの、水量は豊富ではない、水面にうかんだ木っ葉がゆったり動くていどで、ところどころにある堰のところは音と泡をたてている、が幾箇所に住宅地排水路がひきこまれていて有機質の澱みがひろがったりしていて、清流の情緒にはほど遠い。
 餌になる小魚の影だけは濃いのだが。
 こんなところに、とため息がでる。
 でもずいぶん人馴れしているではないか

 なんともあれ、姿色合いは見間違うなく「宝石」で、カワセミの美しさを誇っていたのは見ごたえあった。。

 
 

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