prose-冬の鶴

2011年12月5日 趣味
 空気が澄んで、かん高い丹頂鶴の鳴き声が木霊する。溜池の水位は随分さがり裾の下をあらわにみせているのに水鳥は快適に紋を描いて水面を滑走している。すり鉢の縁を形つくっている山々は槙や楢の雑木でつち色の紅葉を全山そめあげていた。
 岡山自然保護センターの光景である。
 池に放鳥された丹頂はつがいだろう、干上がった地面をたえず嘴でつつき長い脚で独特の歩みに飽くことがなく続けている。
 ウメモドキの実を陽に透かして見る。
 花はなにもない。
 美味しい弁当を平らげた。
 湿地までを弛緩の開放感で折り返し、鶴の木霊におくられて里山を後にした。
 

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