部屋で読書しているとやや寒さをおぼえる。
 文庫本を整理していて藤澤展子作「父・藤澤周平との暮らし」をみつけた。娘さんが書き綴ったエッセイ集である。藤澤周平の作品はそろえているが、この文庫本は購ってから書棚にいれてその侭忘れていたような気がする。ペラペラ拾い読みしてみて読了した記憶がない。
 そこで、屋外のほかほか天気にさそわれ文庫本を持って百間川の河川敷にいき車内の椅子を倒して読みふけった。読みやすい文体でさらさらと読みすすめられる。作家の普段の生活、家人とのふれあい、執筆の様子、思考の過程などがみえてつい読みきった。
 つつましくて清廉な藤沢周平その人なりがうかがえる一冊である。
 読んで本をおくと背中にじんわり汗を感じた。
 愛犬を散歩させる人がおどろくほど増えてフロントガラスの前を往来していた。外にでてのびのびすると薄着の体にさわやかな風がきもちよくなでて流れた。
 すっかり初夏の匂いである。

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