秋の夜長に灯を低くして読書に耽るのもいいが、待ち焦がれる春の窓下に歴史本のページをめくるのも時を忘れさせてくれる。
 加藤廣著「信長の棺上下」「秀吉の枷上下」「明智左馬之助の恋上下」の文庫本。
 「信長の棺」に引き込まれてすべて読了した。読後、清清しさに包まれる。安土時代で歴史に浮上した織田信長・明智光秀・羽柴秀吉の三傑についての知識は、史実創作を含めた諸書で得るところ。「信長公記」や「太閤記」を下書きにした読物に多く接している。しかしそれぞれの側にたって記述しているので妙にけばけばしさが目立ち終末を割愛しているので未消化のままだ。この三部作はそこらあたりを解明して読者を飽かさず読ませる、巻を追うごとに著者の筆跡が冴えてくるのが分かる。一読の価値本である。

因みに、
 「馬上湖水渡り」の明智光秀の娘婿・明智左馬助こと三宅弥平次はもともと備前児島半島の常山を拠とした国人。
 祖は後醍醐天皇の隠岐送りの途「院の庄」において、
 天莫空勾 時非無范蠡 
と桜樹に墨書したあの児島高徳であるとのことらしい。

 常山は標高307m、金甲山・怒塚山に次いで3番目に高い山であり、その山容から児島富士とも呼ばれている。山頂には電波塔や玉野市指定史跡の常山城跡があり、本丸の部分である展望台からは児島湾干拓地や岡山市街地を見渡すことができる。

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