夏野菜プランター

　トマトは野菜か果物か。
　野菜としてご飯の友にして使うし、よく冷やしたものを食後のデザートにして食べるから、どちらに分類されようがトマト大好き人間は一向に構わないのだが、あのやけつくような夏の昼下がり、井戸水で冷やした不ぞろいの青臭いやつをガブリと食らいつくのが最高と小生は今でもおもっている。
　その想いにいっぱい突き刺さっているのは望郷であり、青空と夕焼け、トンビであったり、オフクロであったりする。

　トマトは夏に限る。
　ところが今は一年中店頭に並んでいる。
　小生にいわせるとあれはトマトごときものである。
　本来の匂いも味もすてさられて化学の味がする。

　昨年から猫の額にふさわしい庭にトマトを植えた。
　肥料といえば菜種カスだけ、でこぼこだらけだけど、真っ赤に熟れた実が結構育ち、もぎ立てを冷やしてかぶりつきを試み堪能した。

　今年は庭を駐車場にしてしまったので畑にする部分がなくなり、プランターと丸鉢に植え付けてみたがいまのところ順調に伸び、１７個ほど青い実をつけていて喜ばしてくれている。

　その他ニラ、ネギ、チシャ、シシトウ、パセリ、アオシソ、ニガウリをプランターに植えそろえ逐次、食卓にのぼっている。