山野草を求めて

2008年3月10日
 深夜の春雷には驚いた。強烈な炸裂音だった。
 愛犬が怖がって鳴き声を挙げて落ち着かない。
 大きな雷鳴は1回だけで、尾を引くように、あるいは手に取るようにしてゴロゴロと遠ざかっていった。
 
 余韻の雨を懸念したが、出発するときは快晴の青空がのぞいた。春が、幕を切って躍り出たのである。
 県中央部へ急いだ。
 カルスト台地は林間に根雪が見られた。存外気温が上がっていない証拠だが、季節も季節、陽気も陽気、草本の体内時計もそう狂うはずがないと読んでひたすら走る。
 豊永のセツブンソウ自生地を覗いてみた。此処は他と違う品種かと思うほど全体にひよわな印象を受けるのだが、通常薄紫のシベが黄色のものを多生している。それを確認して、草間に走る。
 草間に異変がおきていた。赤白の、可愛いユキワリソウの群落咲きがない。ところどころ咲いてはいるが、例年の開花状況を見ているので、とてもこれで咲いているとは言いがたい。
 大幅に遅れているのだ。
 セリバオゥレンは見事に咲いていた。
 再び豊永に戻り、前記とは別のセツブンソウに立ち寄り、最盛期の立ち姿をみせてもらった。接写ロケーションにはお気に入りの自生地。
 一番の目的、アズマイチゲ。今にも開花しそうなガクが、それこそ唐傘をすぼめたように群落していたものの、気温が今ひとつ上がらないのか、風がやや冷たいのか、待てども開かなかった。あと一週間の待ち草だろう。
 高梁まで帰り、ユキワリイチゲを観察した。
 これは見事に開花して梅林の下を薄紫色に染め上げていた。

 かってのデーターが参考にならない現象を一日で再確認することであった。

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