落合JCTあたりの日陰になる幹周りは薄雪が残っていて、陽射しのヶ所は融けて流れていた。帰省の車も落ち着いて快適なドライブになった。年末にマーク?からパジェロ・ミニに替えた愛車は走る応接間から、〔駆ける狩人〕に変身して唸り声高らかに獲物を追いかけるように走る。
同乗は家内と愛犬〔リュウ〕。狩りに行くのではない。戌年なのでリュウを温泉で保養させるのが目的なのである。彼のクセで走りだすと窓を開けろ、としつこくせがむ。少しウィンドウを下げてやると嬉しそうに、しかも強引に頭を車外に出し、長い白髪を疾風に靡かせたものだ。斥候犬のように前方を睥睨して止まない。ときたま首を引っ込めて運転手に向かって〔ウゥ〜、ワン〕と、もっとスピードを上げろと命令するのだ。ぺタルを床一杯に踏み込んでやると〔その調子だァ、ウ〜、ワン〕などと満足気に吼えて再び白髪を靡かす。
おかげで運転手と助手は寒いったらない。ヒーターをがんがん利かすのだ。
米子道に入ってからは路肩に残雪が見え始め、トンネルを抜けるごとにその嵩はうずたかくなり、いずれの峰々も綿帽子を被り集落は雪に埋もれていた。除雪車の後なので走行に不自由はなく〔スピードを落とすな!ウ〜、ワン〕などと怒られることはなかった。
ナビが終点を告げたのが、ひまわり館。お犬様専用の温泉があるところ。しかも屋根と葦の囲いのある露天風呂とはイキではないか。
料金がまた豪華。人間さまより3倍高い!
大型犬と小形犬の2浴槽があって、リュウは一応小形犬の浴槽に入ることになった。相浴はケンケンガクガクになるのを避けてか、なんとまァ貸切制なのである。
                   〔編集人〕 〔続〕

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