山野草夜話

2004年10月31日
=セイタカアワダチソウ=
 
 一時代、猛烈な勢いではびこった植物。鉄道沿線では秋の風物詩のように黄色に染め上げ電車が通過すると見事に波打っていた。輸入品に付着して渡来しそれを運ぶ貨物列車が沿線にふりまいて繁殖していったという。嘘か真かしらないが、沿線の線路きわ、空地、山に多く繁っていたのはたしかである。それがしだいに山奥にも見られるようになって、このまま蔓延するとなると困ったものだと思っていた。
 なにしろ繁殖力が抜群に強い。刈れば刈るほどに増殖していくので放置するしかないと聞いた。花粉症の元凶ともいわれたりしたが、このほうはもともとの杉や花粉を飛ばす樹木のほうが有罪だと、評価の見直しされているのは結構なことだ。
 最近の新聞にコラムが載っていて、在来種を駆逐してまでの繁殖力にもかかわらず、一定の増殖を果たすと自己衰減の作用をおこすそうだ。
 自然界で一種が席巻するのは異常なので、これはこれで結構なこと。そういわれれば、沿線のセイタカアワダチソウは一時の勢いがないように見られる。
 文献で調べると北アメリカ原産で明治時代に渡来したようである。渡来の経緯はさだかではないが太平洋戦争後に爆発的に殖えたとのこと。招きもせずにやってきて真っ先に沿線を凌駕したところをみると、やはり穀物袋に付着して上陸、貨物列車が一役かった話が信憑性を帯びてくる。
 セイタカアワダチソウは日本の山野を彩るアキノキリンソウと同属である。
 

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