7日(日曜日)
 
 セツブンソウの自生地では日本一という広島県甲奴郡総領町に向かって山陽道を走る。福山東で一般道に降り、府中市からは県道432号線を上下町経由で総領町にたどりついたのは10時前。7時20分ごろに岡山を出発したから、約2時間30分ぐらいの所要時間だった。
 天候のハプニングがあった。山間部で降雪の予報を認識していたが、「大当たり」を超えた状況に遭遇して驚くやら、喜ぶやら、凍てついた雪道の不気味さをも体験した。
 府中のはずれ、芦田川にかかる辺りからボタン雪が舞いだし、路肩に残雪が見え出す。432号線は芦田川沿いに北上していて、渓谷美を帯びだしてからは、ついに積雪10センチあまりの雪国が出現した。視界に広がるのは久しぶりに見る銀世界である。
不思議なことに上下町方面の斜線だけが車両の輪跡がつき、府中方面は新雪の深さがそのまま残っている。日曜日の早朝から、こんな天候をついてまでして街へ出るような酔狂人はいないということだ。したがって北行き車線の輪跡は大方が総領町行きの痕跡とみて間違いない。
 融けた所と、崖縁の積雪ヶ所の断続がつづき、大きく膨らんだ待避所に数台の車が停止してチェーンの装着作業風景に出くわした。
 なるほどそこからはアイスバーンのような路面で、積雪一路の様子を呈している。当方の車は冬用のタイヤを履いているからスピードを制御しつつ、アメンボウのようにスイスイ前進可能なのだ。それでも雪道に慣れない小生は不気味で、師匠にハンドルをお願いした。
 右岸にはこの時期マンサクが咲いて黄色く渓谷を彩っている筈で、それと思う場所は徐行観察したが、木々梢は雪嵩の厚化粧の下に隠されていた。
 
 セツブンソウの観察基地、道の駅「リストアステーション光のドーム」に到着。「節分草祭・名人市」で賑わっていた。
 駐車場は中学校の校庭。真っ白な校庭は1台の車のみ。汚されていない雪の中で親子3人が雪だるまを作っていた。 
 セツブンソウは田総川沿いに自生地が点在している。
 「ハイキングコースマップ」には近隣4ヶ所の公開地が掲載されている。?アースワーク公園?黒木さん宅?山根さん宅?奥さん宅八幡神社・・であるが、?と?はそれぞれ南北に3キロに離れているので車使用になる。○○さん宅、・・と個人宅で呼ばれているのは、自生地がすべて私有地であり、宅地の隣りというのは秋に下草刈りの手入れが十分行き届いているからだろう。
 10センチの雪下で花が見えるなどと疑わしい限りだったが、案内所の話では、?番の花は終わり、?と?番地区で雪かきをして一部の花が見えるようにしてあるそうだ。
 車を役場に回し?の山根さん宅を訪れた。役場裏から田総川を渡り左にとって、山根さんの庭先を歩き山縁の自生地に着いた。
セリバオウレンが2輪、セツブンソウが同じく2輪でやはりここは少し早いようだ。
 もと来た橋に戻ろうとしたら、堤防で焚き火していたログハウスから人が走ってきてこっちへ来いとの手招きあった。土手縁に雪かきがされてフクジュソウが芽を出し、なかには八分咲きに咲いていた。等間隔に株があるので不思議に思っていると、やはりこれは植栽されたものであった。ログハウスでゼンザイと美味いタクアンを腹におさめ、?の自生地向かう。
 雪かきのあとの降雪を防ぐためにブルーシートを簡易屋根にしていた。その中に首を入れて接写で撮る。真っ青な天気のような背景になる。アングルを変えて撮るが、人工青天の一角は避けて通れないものになった。黄色、薄ピンクのガクがあったのは収穫だった。
 車で?の六郎丸の自生地に行く。
 猛吹雪。さらに積雪を突風が巻き上げて襲い掛かってくる。
 指先に感覚がなくなり、ピント調整をいい加減なところで妥協してしまうことになった。
 その後、?のポイントに立ち寄り、庄原ICから中国縦貫道で帰途についた。
 雪被りのセツブンソウが、しっかり写っているの確認すると、安心して睡魔の誘惑に負け、白い雪の淵に沈んでしまった。
 気がついたら、吉備SAだった。
 
 

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