あたたかい日差しに誘われて御津町のセツブンソウの再撮にでかけた。初めて訪れた15日の朝は大霜で、咲き始めたばかりの数輪の花は撮影の対象には少し早すぎた。積雪を割って咲く風情に出会えればこれにこしたことはないが、霜被りもすてたものものでもない。ただ花に勢いがなかった。
 今日は4月の日和とのこと。吉備新線を走る車もガラスを降ろして爽やかな春風を先取りした。
 女性の先客がいて、フェンスに囲まれた狭い通路にシートを敷いてうつぶせになりシャッターを盛んに切っている。いでたちや機器類からみると並の人ではない。梅林に入り込んだ通路の半分を占拠して長々となり、陽気の加減で増えるてくる観光客などなんのその、シャツターから指を離さないでいるのも、並の人ではない。その執着性に感嘆する。
 時計の針が進むにつれ、花が開花した。ほぼ8分咲きといったところ。脈が浮かぶ純白なガクを精一杯ひらいて、なかには反り返るのもあり、黄色の輪形退化した花弁の中心に淡紫色の葯があざやかにういて見える。
 山の北面に群生がみられるのは、この山野草が木陰を好むからで、下草を刈って手入れをした環境でないと繁盛しない。せいぜい15センチの丈で花径は2センチという花だから丈の勝つ他の野草の中では育ちにくい。手入れをする梅林や栗林、神社の境内などに多いのはそれに所以する。
 したがって最良のアングルを確保するには、レンズが上向きになるカメラか、大地に腹ばいになるしかない。さらに三脚でズーム、あるいはマクロ撮影機能がダントツ有利である。
 十分写して上をみると、苔むす老木の梅がセツブンソウに負けずと花数を増やしていた。紺碧の空によく映えていた。
 小川の堤防に、ごくごく小さな花が株単位で群生している。よく観察すると青紫の花弁は精緻な模様で優雅な趣がある。もちろん、付けられたオオイヌノフグリという名は体をあらわしていない。
 春うらら気分で、空きっ腹をかかえながら田んぼ道を蛇行しながら帰っていると、例の女性カメラマンがせかせかと追い抜いて行った。
 

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